スマホは信じる、iPadはジップロック|釣り場の電子機器を守る話
「スマホ、海に持って行って大丈夫ですか?」
お店でよく聞かれます。わたしの答えは「最近のスマホなら大丈夫です、ただし水以外の敵がいます」です。
iPhoneならIP68(防水・防塵の最高等級)がついているし、Androidのハイエンドも同等のスペックを持っている機種が多いです。防水スマホケースの記事は世の中にたくさんあるのでそちらに譲ります。この記事で書くのは、防水ケースでは防げない話のほうです。
IP68の意味を正しく知っておく
IP68の「6」は防塵等級、「8」は防水等級です。防塵6は「粉塵が内部に侵入しない」、防水8は「メーカーが定める条件での水没に耐える」を意味します。iPhoneの場合、最大水深6メートルで最大30分間とAppleは記載しています。
ただしこの試験は真水で行われています。海水ではありません。
海水には塩分があり、真水より腐食性が高い。充電端子やスピーカーの穴に塩水が入って乾くと、塩の結晶が残って端子を腐食させます。IP68だから海水に浸けても大丈夫、とはメーカーも言っていません。
わたしはiPhoneのスペックを信じています。波しぶきがかかるくらいなら問題ないし、釣りの最中にポケットから出して写真を撮るのも気にしません。ただし、海水に浸かったら帰宅後に真水で軽く洗うようにしています。充電端子が濡れている状態で充電しないのも大事です。
防水より防塵のほうが厄介
釣り場で電子機器が壊れる原因は、水没よりも砂と塩のほうが多いと思っています。
砂浜で風が吹くと、細かい砂がどこにでも入ります。充電端子、イヤホンジャック、スピーカーの穴。IP68の「6」は粉塵の侵入を防いでくれるはずですが、砂がついたまま充電ケーブルを挿すと端子を傷つけます。物理的に硬い粒子を押し込んでいるのだから、防塵等級の問題ではなくて端子の摩耗の問題です。
先輩は砂浜から帰ると、スマホの充電端子をエアダスターで吹くそうです。地味ですけど、これをやるかやらないかで端子の寿命が変わると言っていて、釣具の手入れより先にスマホの手入れをしているのが先輩らしいです。取材の重要機材ですからね。
砂鉄とMagSafe——これは盲点でした
先輩のMagSafe対応モバイルバッテリーを見たとき、背面の磁石部分に黒いモジャモジャがびっしりついていて、最初は何かの汚れかと思いました。砂鉄でした。
津久井浜で充電しながらiPhoneを使っていたとき、モバイルバッテリーをポロッと砂浜に落としてしまったそうです。拾い上げたらもうモジャモジャでした。
砂浜によっては砂鉄を多く含むところがあります。黒っぽい砂が混じっている浜は砂鉄が多い傾向です。MagSafeのモバイルバッテリーやマグネット式のスマホホルダーは、強力な磁石で固定する仕組みなので、砂浜に置いた瞬間から砂鉄を集め始めます。
砂鉄がついた状態でiPhoneの背面にくっつけると、砂鉄がiPhoneとバッテリーの間に挟まって双方に傷がつきます。充電の接触も悪くなります。
対策はシンプルで、砂浜ではMagSafe系のアクセサリーを地面に直接置かない。バッグやタックルボックスの中にしまうか、タオルの上に置く。帰ったらセロハンテープで砂鉄をぺたぺた取るのが一番確実です。先輩は「ガムテープのほうが強力」と言っていました。
iPadはジップロック
釣り場にタブレットを持ち出す場面は意外とあります。ぶっ込み釣りやちょい投げの置き竿スタイルだと、アタリを待つ時間が長い。わたしはこの待ち時間にiPadでアニメを観ます。冬の完全防寒で椅子に座って、コーヒー飲みながらアタリを待つ。ほぼピクニックです。お子さん連れの釣行で、待ち時間に飽きた子どもにiPadを渡すこともあると思います。
ただしiPadはモデルによって防水性能がバラバラです。iPad Pro(M4)やiPad Air(M3)はIP68対応ですが、無印iPadやiPad miniにはIP等級がありません。自分のiPadがどのモデルかを確認してください。IP等級がないモデルは波しぶきがかかったら壊れる可能性があります。
わたしはジップロックのフリーザーバッグ(Lサイズ)にiPadを入れて使っています。タッチ操作も一応できるし、画面も見える。防水ケースを買うほどのことではないけど、裸で持ち出すのは怖い。ジップロックはその間を埋めてくれます。
注意点は2つあって、ジッパーを閉めるときに空気を抜きすぎないこと(画面に密着すると誤タッチする)と、ジップロックの中に結露が発生することがあること。冬場は外気と体温の差で、バッグの内側に水滴がつくことがあります。ときどき開けて空気を入れ替えればいいだけなので、そこまで神経質にならなくても大丈夫です。
ちなみにジップロックに入れたまま動画の音声を聴くと、音がこもります。ワイヤレスイヤホンを使うか、音量を上げるかの二択です。わたしはワイヤレスイヤホン派です。片耳だけつけて、もう片耳で波の音とドラグの音を聞いています。
ワイヤレスイヤホンの落下
ワイヤレスイヤホンを釣り場で使うとき、一番怖いのは落下です。
仕掛けを投げるとき、魚がかかって竿を煽るとき、風が強いとき。片耳タイプでもカナル型でも、ふとした動作で外れることがあります。堤防ならまだ拾えますが、テトラの隙間に落ちたら回収不能です。
落下防止のストラップやネックバンド型のイヤホンを選ぶのが現実的です。有線イヤホンに戻るのも選択肢ですが、イヤホンの線に引っ張られてスマホがコンクリートに落下することもあるので、一長一短です。打ちどころが悪いとガラスが割れます。
帰宅後にやること
釣り場から帰ったら、釣具の片付けと一緒にやっておくと電子機器が長持ちします。
スマホの充電端子を確認する。砂や塩が残っていたら、エアダスターか乾いた歯ブラシで軽く払います。端子が湿っている場合は、完全に乾くまで充電しないでください。
MagSafe系のアクセサリーは磁石部分を確認する。砂鉄がついていたらテープで除去。
ワイヤレスイヤホンは、汗と塩でイヤーピースが劣化しやすいので、ウェットティッシュで拭く。充電ケースの端子も砂が入りやすいポイントです。
モバイルバッテリーやケーブル類は、タックルボックスに入れっぱなしにしないこと。高温になる車内に放置するのは膨張や劣化のリスクがあります。
葵ちゃんのまとめ
「防水スマホだから大丈夫」はだいたい合っています。最近のスマホのIP68は優秀で、波しぶき程度で壊れることはまずない。わたしもスペックを信じて普通に釣り場に持って行っています。
ただ、水以外のところで地味にダメージが溜まっていくんですよね。先輩のモバイルバッテリーのモジャモジャを見たときは笑いましたけど、あれがiPhoneの背面で起きていたらと思うとちょっと怖い。
iPadのジップロックは見た目がアレですけど、冬の置き竿で椅子に座ってアニメ観る時間はわたしの釣りの一部なので、守るものは守ります。
本記事はスタッフの個人的な体験に基づいた内容です。電子機器の防水・防塵性能はメーカー・モデル・使用条件により異なります。海水に浸かった場合の対応は、各メーカーのサポート情報をご確認ください。