根掛かりで切った仕掛けは海のゴミになる|残すものを減らす仕掛けの工夫
根掛かりのいちばん嫌なところ
根掛かりすると、もったいないとか、面倒くさいとか、いろんな感情が出てきます。でもわたしがいちばん嫌だなと思うのは、仕掛けを切ったあとに海の中にゴミを残してしまうことです。
針、オモリ、サルカン、ライン。全部海底に残る。自分が出したゴミです。釣り場をきれいにしようと言っている側が、根掛かりのたびに海にゴミを捨てている。この矛盾がずっと気になっています。
だからできるだけ回収したいし、どうしても外れないなら早めに判断して、切る量を最小限にしたい。根掛かりへの対応は「仕掛けをなくして悔しい」の前に「海に残すものを減らす」が先に来ます。
3手で判断する
わたしの根掛かり対応は3段階です。
1手目:引っ張らない。
「あっ、根掛かりかも」と思った瞬間、引っ張りたくなります。でもここで引っ張ると、針が深く刺さって状況が悪化します。まず止まる。テンションをかけずにラインを少したるませる。これだけで、浅く引っかかっていた場合は自然に外れることがあります。
2手目:竿を上にあおる。
たるませても外れなかったら、竿先を高く持ち上げて、ゆっくり上方向に力をかけます。横に引っ張るのではなく、上に持ち上げるイメージです。根掛かりの多くは、仕掛けが横方向に引っかかっています。上方向に力をかけると、引っかかった角度が変わって外れることがある。体感では、この2手目でかなりの割合が外れてくれます。
3手目:まっすぐ、ゆっくり引っ張る。
2手目でびくともしなければ、ここからは諦めモードです。でもまだ一縷の望みはあるので、竿を仕掛けの方向にまっすぐ向けて、ゆーっくり引っ張ります。外れるときもあれば、ラインの弱い部分から切れるときもある。
大事なのは、3手目に入ったら「外れたらラッキー」と思っておくことです。ここで意地になって強く引っ張ると、ラインが高い位置で切れて、海中に残すゴミの量が増えます。
切れる場所を設計しておく
根掛かりで仕掛けを失うのは避けられません。でも「どこで切れるか」はある程度コントロールできます。
投げ釣りの場合、道糸がPE0.8号くらいだと、力糸との連結部で切れるのがほぼ決まりです。道糸は残って、力糸から先の仕掛けだけが落ちる。道糸を高い位置で切ってしまうより、海に残す量がずっと少なくて済みます。
ルアーやエギングでPEラインにリーダーをつなぐ場合は、PEとリーダーの引張強度のバランスが切れる場所を決めます。リーダーがPEに対して強すぎると、根掛かり時にPEが高い位置で切れて、大量のラインが海に残ります。リーダーの引張強度がPEより低い組み合わせにしておけば、リーダー側から切れて、失うのは仕掛けの先端だけです。
ところがこの業界、PEは号数とlb表記、フロロカーボンは号数表記で、同じ号数でも強度がまったく違います。比較しにくいので、表にしておきます。
| PE号数 | PE強度(目安) | リーダー号数(目安) | リーダー強度(目安) |
|---|---|---|---|
| 0.6号 | 10lb | 1.5〜2号 | 6〜8lb |
| 0.8号 | 16lb | 2〜3号 | 8〜12lb |
| 1.0号 | 20lb | 3〜4号 | 12〜16lb |
| 1.5号 | 25lb | 4〜5号 | 16〜20lb |
| 2.0号 | 35lb | 5〜7号 | 20〜25lb |
リーダーの強度がPEを下回る組み合わせなら、根掛かり時にリーダー側で切れます。メーカーや製品によって強度は前後するので、パッケージのlb表記を確認してください。また、PEとリーダーの結束部(ノット)は糸そのものより弱くなるので、結び方の精度も影響します。
他の釣種でも、仕掛けを作るときに「根掛かりしたらどこで切れるか」を考えておくのは大事です。捨て糸という考え方があって、メインの仕掛けより細い糸をオモリの接続部分に使います。根掛かりしたときにオモリだけが切れて、仕掛けの本体は回収できる。根掛かりが多いポイントでは、この一手間が効きます。
仕掛け作りは「魚を掛ける設計」であると同時に「根掛かりで失うものを最小にする設計」でもある。ここを考えているかどうかで、1回の釣行で海に残すゴミの量が変わります。
誰かのロストした仕掛けが上がってくることがある
余談ですが、根掛かりを外そうと引っ張っていたら、自分の仕掛けと一緒に何かついてきたことがあります。引き上げてみたら、誰かがロストした仕掛けでした。錆びた針とオモリがラインでつながったまま、海底に沈んでいたもの。
拾い上げたとき、ちょっとだけ贖罪した気分になりました。わたしが落としたゴミではないけれど、海のゴミがひとつ減った。
ゴミ袋に入れて家で処分しました。
根掛かりしやすい場所を避けるのが最善、だけど
外し方より大事なのは、そもそも根掛かりしにくい場所を選ぶことです。
岩礁帯やテトラの際は根掛かりが多い。初めての場所では、いきなりボトムを攻めずに少し上の層から探ると、海底の地形が分かってから攻め方を決められます。常連さんや釣具店で「あそこは根が荒い」という情報を聞いておくのも有効です。お店でもよく聞かれます。
エギングの場合は、ボトムに着けてからのステイ時間を短くするだけで根掛かりの頻度が変わります。着底したら早めにしゃくる。沈めっぱなしにしない。
でも、根回りって釣れるんですよね。魚が身を隠す岩陰や海藻の際こそが好ポイントで、根掛かりのリスクが高い場所と魚がいる場所はだいたい同じ。これが根掛かりを完全にはなくせない理由です。

葵ちゃんのまとめ
根掛かりは釣りをしていれば必ず起きます。ゼロにはできない。だからこそ、外し方と同じくらい諦め方が大事です。
3手試して外れなかったら、それ以上は海に残すゴミが増えるだけ。潔く切って、仕掛けを作り直して、次を投げる。仕掛け作りの段階で切れる場所を設計しておけば、失うものは最小限で済みます。
海底から誰かの仕掛けが上がってきたら、持って帰ってください。ゴミ袋に入れて家で捨てるだけです。小さな贖罪ですけど、何もしないよりはましです。